旅々たびたび
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石垣島・川平湾
ズル休みして南の島の旅に出た。  
オリオンビールと天ぷら
泡盛・八重泉
 1:日本一早い沖縄の桜
 2:飛行機の窓から
 3:オリオンビール
 4:泡盛・八重泉
詳細地図
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[アクセス]
羽田→(飛行機・直行便:約3時間)→石垣空港→(タクシー:約10分)→離島桟橋→(レンタカー:約15分)→バンナ公園→(レンタカー:約20分)川平湾
[関連サイト]
■美ら島物語
石垣島・沖縄全般の観光ガイド
■びん玉家(島料理)
・石垣市大川260・TEL 0980-83-9838
[旅行手配内容]
飛行機(ANAマイル使用)宿泊(じゃらん):約25,000円(1泊2日全費用)
沖縄方面の名物

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1月の半ば。沖縄本島に住む女性の友人(い)さんから突然、写メールで撮影された桜の写真が送られてきた。

「沖縄は、もう桜が咲きました。きれいでしょ♪」

パソコンの画面に映し出された桜は鮮やかなピンク色をした寒緋桜(かんひざくら)。季節外れの桜の写真も嬉しかったけど、桜の写真をわざわざメールで東京に住む僕に送ってくれる(い)さんの気持ちはもっと嬉しかった。

桜…。まだ間に合うだろうか…。

メールが届いてから4日後。沖縄本島ではなく、さらに南の石垣島へ向かうANAの直行便(マイル使用)に乗っていた。1年に2回ほどたまらず強行してしまうズル休み…。毎年、突発的に起こる。実は小学生くらいからずっと続いている悪い病気…。(笑)

石垣島上空朝の6時台に羽田空港を出てうつらうつら。中途半端な眠りから覚めた頃、飛行機の小さな窓から瑠璃色に輝くサンゴ礁の海が見えた。うわぁぁ…。


石垣は、1月だというのに真夏のような暑さ…。石垣空港から乗りこんだタクシーで10分後には離島桟橋に降り立った。海の匂いがスーッと身体の中に入ってくる。ここから竹富島や西表島、波照間島などへ向かう高速船が出ている。

プリウス桟橋近くのレンタカー屋でレンタカーを申し込むと、なんとシルバーのプリウスが用意された。プリウスとは珍しい…。レンタカーは軽かヴィッツなどのコンパクトカーが一般的だから。

ナビをすぐ近くのバンナ公園にセットした。
「桜なら、バンナ公園で見られるかもしれないよ〜」
離島桟橋へ向かうタクシーの運転手、金城さんに事前に教わっていた。

しかし、車が思うように進まない…。うーん…。
前を走る地元ナンバーの白い軽トラが恐ろしくのんびり走っているからだ。スピードメーターを見ると30キロにも達していない。まぁいっか。急ぐ旅でもない。石垣島のドライバーは平均してのんびりしているが、西表島はおそろしくかっ飛ばす。同じ八重山諸島なのになんだろう、この違いは…。(笑)そんなノロノロな車にしばらくお付き合いをした後、バンナ公園へ向け進路を変えた。

石垣島の桜標高約230mのバンナ岳に広がる広大なバンナ公園。海が見える展望台へ向かう途中で桜の姿を見つけた。
「良かった…間に合った。まだ咲いてる!」
うららかな陽射しの中、下を向き静かに咲いていた。ソメイヨシノよりも花の数が少なく遠目よりも近くで見たほうが断然美しい。車から降りてしばし日本一早い沖縄の桜「寒緋桜」を楽しんだ。東京に桜が咲くのはまだ2ヶ月も先だというのに…。いやはや日本は広いですなぁ。

バンナ公園を後にし、海沿いの79号線を走りながら向かったのは日本百景にも選ばれているお決まりの観光スポット「川平湾」。旅行会社のパンフレット等で度々目にする風景なのであまり期待はしていなかった。
どうせ写真のほうがきれいだろうと…。(笑)
川平公園周辺にはみやげ屋やグラスボートなどの店が予想通り立ち並ぶ。その裏手にある松林を抜けた先に川平湾が突然現れた。

川平湾「うっわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

想像をはるかに越えた絶景に、心臓がバクバクしていた…。
ここまで美しいとは……。

川平湾どうしていいか分からずしばらく立ち尽くした程だ。現実とは思えない…。深く湾入しているため波もほとんどなく静かに広がる紺碧の海と、緑に覆われた丸い島々とが織り成す風景がとにかく美しかった。

川平湾砂浜に下りると、海の透明度の高さに驚いた。
「めちゃめちゃきれい…」
許されるならこのまま海へザブンと飛び込み何も考えずにひたすら泳ぎたい衝動にかられた。

残念ながらそれは許されない行為と知った…。なんと、遊泳禁止なのだ。海は泳ぐとこでしょ。(笑)しかし、日本にこんなに美しく非現実な楽園があったとは…驚き。パンフレットなどの写真よりもはるかに美しかった。

タコライスしばらく砂浜を歩いた後、砂浜からそのまま入れるホテル「B&B KABIRA」の「クルール」というレストランでグァバジュースと一緒にタコライスを食べたが、これが抜群に美味しかった。過去一番のタコライス。オープンテラス席なので、目の前にはもちろん川平湾が広がっている。

グラスボートせっかくなので、グラスボートにも乗ってみた。ボートの底の特殊なガラス越しに海の中が見える造りのもので、サンゴや魚が見えたが、同時に白骨化したサンゴの死骸も見えた…。

川平湾は太陽の光の加減によって恐ろしく海の色が変わる。着いた頃はちょうどきれいな時だったが、帰る頃、雲が太陽を隠してしまうとまったく別の風景に変わっていた…。晴れた日にまた訪れたい。黒真珠の養殖も行われている。

***

ホテルイーストチャイナシー離島桟橋近くの「ホテルイーストチャイナシー」にチェックインをし、シャワーを浴びた。ベランダからは、離島へ出かけたり帰ってきたりする小さな船がよく見える。

夕方早めに、地元の友人と待ち合わせして離島桟橋から歩いて5分もかからないところにある郷土料理屋「三虎(みとら)」に入った。夕暮れ時の石垣島の離島桟橋近く。瓦屋根の下にオレンジ色のあかりが灯る外観がいい。

開放感のある店内の入口そばのテーブル席を陣取り、まずはお約束の中ジョッキのオリオンビールで乾杯。うま過ぎる…。沖縄で飲むオリオンは爆発的にうまい。突き出しは、ジーマミ豆腐のあげだし。これがヒット。二杯目の生に軽快に突入しながら、島料理をガツガツ食べまくる。石垣牛のたたき、石垣牛の握り寿司、オオタニワタリやアダンも入った島野菜のてんぷら盛り合わせ、グルクンの唐揚げ、アダンのチャンプルー。どれもいい感じ。
三虎   ジーマミー豆腐   オオタニワタリ

八重泉ビールの後、石垣島の泡盛「八重泉」を水割りを琉球ガラスのグラスでやりながら、おかわりした、ジーマミ豆腐のあげだしをしみじみと味わった。うまい…。ジーマミ豆腐は八重山諸島の郷土料理で落花生を原料にして作った豆腐。ふわふわした食感と甘味が絶妙。それにしてもこのお店は、いい時間が流れる。石垣島で一番のお気に入りの店。

外に出ると1月だというのにやわらかい風がふいていた。どこか潮の香りも感じる。石垣島の夜はまだまだこれから。二軒目はどこにしようかしら…。

(05年1月:旅々旅人)
 
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