旅々たびたび
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 波照間島
日本で一番遠い南の島へ。
ニシ浜ビーチ
日本最南端の碑 幻の酒 泡波
ソーキそば
 1:ニシ浜ビーチ
 2:日本最南端の碑
 3:幻の酒 泡波
 4:ソーキそば
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[アクセス]

石垣島離島桟橋→(高速船:約1時間)→波照間港→(送迎車:約5分)→星空荘→(自転車:約10分)→波照間港ターミナル内「海畑」→(自転車:約7分)→ニシ浜ビーチ
星空荘→(自転車:約30分)→日本最南端の碑
星空荘→(徒歩:約15分)→パナヌファ(音楽食堂)

[関連サイト]
■美ら島物語
波照間島情報
■レンタルバイク SUN輪舎
波照間島集落内郵便局近く
TEL:090-6866-5869
■海畑(いーのー)
八重山郡竹富町波照間6523(波照間港ターミナル内)
TEL:0980-85-8325
■パナヌファ
八重山郡竹富町波照間475
TEL:0980-85-8187
■星空荘
八重山郡竹富町字波照間85
TEL:0980-85-8130
沖縄の名物
 
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「日本で一番遠い南の島へ行きたい」
その南の島とは、ずっと波照間島と思っていたが、地図で確認すると沖ノ鳥島の方が圧倒的に南であった。しかし沖ノ鳥島は島というより高さ1メートルにも満たない周囲をガチガチに固定された岩場が二つあるだけ…。もちろん人は住んでいないし自由に行ける場所でもない。それを島と呼んでいいものか…。沖ノ鳥岩だ。(笑)人が住んでいる島で日本最南端なのが沖縄は八重山諸島の波照間島と改めて知った。ちなみに人口約600人、牛約500頭、ヤギ約400頭。

波照間島へは石垣島から高速船かセスナのような9人乗りの小型飛行機(RAC運行・1日1往復)で行ける。高速船は約1時間で約3千円。飛行機は約25分で約6千円。半額で行ける高速船で行くことにした。雨が落ちる石垣島の離島桟橋に着くと前の便は波が高いため、なんと欠航していた。うそっ…。当然宿も予約していたのでややこしいことになった…。予定の便の横には「調整中」の文字。

うーん…、飛行機にしておけば良かった。しかし…、出航時間の約15分前に出航することが決まった。よかったぁぁぁ…。前の便に乗る予定だった人達もいたのでチケットが取れるかどうか心配だったが、キャンセルした人も多いらしくなんとかチケットは取れた。小さな高速船「あんえい78号」はびっちり満席。60人くらい乗っているだろうか…。

昼前の11時に石垣島を出た船は10分程すると激しく揺れ始めた。ドン!ドッドーン!!ひぇぇぇー!!ある程度の揺れは覚悟していたがここまでとは…。3メートル級の波が襲いかかってくるというか…、その波に突っ込みながら進んでいるのだ。だから激しく揺れるときは当然わかる。今度はあの波にぶつかる…。ドッドーン!ヒェーーー!こうなったら楽しんでやろうと遊園地のアトラクションのように両手で前の座席の手摺りをつかみその揺れに身をまかせた。ドッドーン!!ドッドーン!!長い長い過酷なアトラクションだった…。本気で転覆するかと思った。

瓦屋根の民家約1時間後に波照間の桟橋に着いた時にはヘトヘト。そして無事に辿り着けた安堵感がジワジワ身体中を包み込んだ。ほんとに良かった…。波照間の天気は曇り。高速船が桟橋に接岸するとすぐに荷物の流れ作業が始まる。島の物資もこうして一緒に運び込まれるのだ。そして港にはそれぞれの宿の送迎車がまっていた。日本最南端の宿「星空荘」のワゴン車に乗り込み島の中央付近にある集落へゆっくり走り始めた。車内には夏川りみの「涙そうそう」が流れていた。

宿に荷物を置き、宿のレンタル自転車でさっき着いたばかりの波照間港へ向かった。海からくる風が最高に気持ちがいい。ハイビスカスが咲き乱れる坂道をグィーンと降りたところに波照間港はあった。そして港のターミナル何にある「海畑(いーのー)」というお店の4席しかないカウンター席の一つに座った。

カウンターから見える窓に、青い海と曇り空が広がる。右手には、もちろんオリオンビールのジョッキ生。プッハー!サイコー!!半年前に波照間へ行った友人に教わったお店だ。メニューは、ソーキそば(八重山そば)とカレーの2種類。

間もなくしてそばの上にソーキ、かまぼこ、ネギ、そして紅生姜がのったソーキそばがどすんと現れた。スープを一口すする…。こってりとうまい。お店のおかあさんに聞くと、豚のあばら肉(ソーキ)をじっくり煮込んだスープとのこと。そして平たく細い麺をズルズル。これまたうまい。ソーキもトロトロ。全体に醤油の風味もいい感じで効いている。よく食べる八重山そばよりも少しばかり濃い目の味わいで抜群に旨かった。

オリオンビールの後に幻の酒と言われる「泡波(あわなみ)」をロック(300円)で飲んだ。
「え!”泡波飲んだの!?それは悔しい…」
と、沖縄本島の人にそんな反応をされちゃったほど希少価値の高い泡盛が、波照間の泡波。泡波は、基本的に島の人達が飲む量だけ作られているため、生産量が極端に少ない。だからほとんど島の外には流れず手に入りにくいというわけだ。それが「幻の酒」と言われる理由である。しかし、波照間へ行くと幻ではなくなる。ちゃんとこうして飲めるから。(笑)

ニシ浜ビーチソーキそばと一緒にオリオンビールと泡波を飲み昼間からさーふーふー(ほろ酔い状態)。自転車にまたがり港の近くのニシ浜ビーチへギーコギーコ。7分程走ると青いニシ浜ビーチがぐんぐん迫ってきた。おぉぉぉ!いいねー!!!自転車をとめて、白い砂浜へ降りる。雲りなので本来の色ではないだろうがそれでも青く美しい海が静かに広がっていた。約1キロに渡って続く大きなビーチをブラブラ歩いた後、木陰に座りぼんやり海を眺めた。波の音が気持ちよかった。

宿に戻りシャワーを浴びた。さてと今度は日本最南端の碑を見に行くとしよう。波照間は標高約60mで山はないのだが意外と坂道が多く自転車だとかなり辛く、後で後悔することに…。(笑)走り始めると、まっすぐ伸びる坂道に出る。そしてその道はそのまま海まで続いていた。

サトウキビ畑を抜け海の直前で海岸道路に入り、さらに走る。道路の脇にはアダンの木がパイナップルのような大きな実をぶら下げ続いている。アダンの芽を使ったアダンのチャンプルーは八重山諸島の郷土料理でコリコリとうまい。石垣島や西表島の島料理屋で何回か食べたことがある泡盛と抜群に合う。海岸道路から見える海はニシ浜ビーチと違って群青色の重々しい海だった。

日本最南端の碑さらに進み星空観測タワーの手前付近を海側へ入った所に日本最南端の碑がひっそりとあった。思ったよりも小さく素朴な石碑。それもそのはず、この石碑は沖縄の本土復帰前に旅行で来た青年が作ったものと言われている。その横には日の丸の石碑もあった。ここが日本最南端かぁ…。猛烈な風が通り抜ける荒々しい場所だった。

風車星空観測タワーを過ぎると波照間空港の前に出る。既に1日1便の飛行機は飛んだ後らしく入口は恐ろしく静まり返っていた。サトウキビ畑が両側に広がる道を駆け抜けると集落辺りに大きく真っ白な風車がゆっくりと回っているのが見えた。

宿に戻るとすぐに晩ご飯の時間らしかった。宿で必ず晩ご飯を食べなきゃならず、トレーにいろいろな種類のおかずがのっかったものを食べた。ポークの唐揚げがカリカリと旨かった。どうやら一人旅の人が多いらしく異様に静かな空間。テレビの音がやけに騒がしく聞こえた。

真っ暗な夜道食事を終え外に出るといつの間にか真っ暗。まだまだ飲みたかったので、部屋に戻らずそのまま「パナヌファ」という音楽食堂に向かって歩き出した。集落を抜けるとあたり一面真っ黒の世界で足元すら見えない…。

300メートル程先にわずかに灯る明かりだけが頼り。ここまで真っ暗な夜道は初めて。あまりにも暗く危険なので、途中何度か引き返そうかと思いながらも、なんとか辿り着いたパナヌファはまるで砂漠の中のオアシスのようにさえ感じた。懐中電灯が必要であった…。

地元の方らしい若い男が二人、オリオンビールを飲んでいた。ライブなども行われるらしくちょっとしたステージもある。パナヌファとは八重山の方言で花の子という意味らしい。広い店内のテーブル席に座り、まずはオリオンビールを飲んだ。うまい…。

それを一気に飲み干し、透き通るような青色の琉球ガラスのグラスに注がれた八重泉(泡盛)をオンザロックでやりながらスーチカ(豚の塩漬け)と島豆腐をしみじみと頂いた。店内には島唄が流れている。店の外は闇。その闇の中にポツンとある音楽食堂パナヌファで波照間の夜を全身で味わった。感動。

***

翌日は、海風を感じながらバイクで1時間ほどかけて島を一周。信号が一つもなくまさに自由!最高の時間だった。

(05年11月:旅々旅人)
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