旅々たびたび
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開聞岳と西大山駅
海岸線を走り、指宿・砂むし温泉へ。  
指宿 砂むし風呂
指宿枕崎線と鹿児島湾 砂風呂に埋もれる人達
砂風呂の後の温泉
 1:指宿 砂むし風呂
 2:指宿枕崎線と海
 3:砂風呂に埋もれる人達
 4:砂風呂の後の温泉
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[アクセス]
鹿児島中央駅→(レンタカー:約1時間40分)→指宿温泉・砂むし会館→(レンタカー:約15分)→JR西大山駅→(レンタカー:約1時間40分)→鹿児島中央駅前
鹿児島中央駅→(バス:約40分)→鹿児島空港→(飛行機:約1時間40分)
[関連サイト]
■いぶすき★ねっと
指宿市観光協会HP
■砂むし会館「砂楽」
鹿児島県指宿市湯の浜5-25-18
TEL:0993-23-3900
■九州バジェットレンタカー
■JR九州 指宿枕崎線
■ピザハウス・コックピット
鹿児島空港内居酒屋
TEL:0995-58-2647
[旅行手配内容]
ANA超割(ANAサイト)宿泊(じゃらん):約50,000円(2泊3日)
※熊本含む全費用
 
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絶好の旅日和。鹿児島中央駅近くのバジェットレンタカーで借りた水色のマーチのナビを、砂むし風呂で知られる指宿(いぶすき)温泉にセットした。鹿児島の街並一度、あの顔だけちょこんと出して砂浜に埋もれる砂風呂を体験したかったのだ。季節は10月に入ったというのに、南国鹿児島はまだ夏であった。あつい…。

慣れないナビの案内と慣れない町の車線規制にアタフタしながらやっとのことで市街地を抜け、両側にフェニックスが続く226号線に出た。ふぅー。あとは、一本道をひたすら進むだけだ。

しばらく走ると、片側一車線になり海が助手席の窓いっぱいに広がる海岸線に突入した。おぉぉ!海だっ!朝陽をおもいっきり浴びた大きな鹿児島湾がまぶしく光る。反対側は、鹿児島中央駅から枕崎まで伸びる指宿枕崎線が走る。ローカル線らしくのんびりした電車を想像していたが、結構なスピードで僕の車を追い抜いていった…。はやっ…。

鹿児島中央駅を出て約1時間40分。70軒程のホテルや旅館がわんさか並ぶ指宿温泉街に着いた。予定していた砂むし会館「砂楽」は、想像していたよりも新しく立派な建物だった。駐車場は、平日にも関わらず多くの車で溢れている。砂むし風呂をやっている砂浜を覗いてみると、なんと波打ち際から湯気がユラユラと昇っていた。なんだなんだこの海は……。温泉の海か…?

この砂浜の背後にある山の手に、90度を越す源泉がいくつもあり、そこから地下を通して熱い湯が海岸へ流下し、自然沸出しているとパンフレットに書かれていた…。なるほど。

砂浜に藁葺き屋根の簡単な建物があり、その中で何人もの人が頭に白いタオルを巻き、砂に埋もれていた。やってるねー。早速、受付に行き、浴衣を渡され説明を受ける。タオルは別料金(入浴料900円+100円)で買い、脱衣所へ。そこで裸に浴衣だけを羽織り、さっき見ていた砂浜までスタコラ歩いていく。指定された箇所に横になり頭の下にタオルを敷く。すると、おばちゃんがどしどし顔以外の所に大きなスコップで砂をかけていく。ズシリとした重みを感じる。

指宿温泉視界には、海と空。頭の上方面で仲良く並んだカップルの話し声が聞こえてきた。
「ね〜。これっていつまで入ってるの?」
「え?自由じゃないの…」
そう。自由だった。その後、彼と彼女は自由に出て行った。最初はそれほど感じなかったが、しばらくするとジワジワと身体全体に熱が伝わり熱くなってきた。砂の重さもあり、なんともいい感じで身体が熱に包まれていく。ポカポカとあまりにも気持ちよく、そのまま寝てしまいそうになったので15分ほどで脱出した。全身、汗でビショビショ…。

砂まみれのまま建物に戻り浴衣を脱ぎ、砂をきれいに洗い流した後、建物内の温泉に浸かる。ふぅー。内風呂もまたいい感じの湯であった。運転があるので風呂上りのビールはあきらめ、冷たい青りんごジュースで我慢した。高校の学食で良く飲んだ飲み物だ。懐かしい。車に戻り、ナビをセットし直したのは、沖縄にモノレールができるまで日本最南端の駅として知られていた指宿枕崎線の「JR西大山駅」。この駅からあの日本百名山の一つに数えられる標高924mの開聞岳をいつか見たいと思っていた。

車の窓を開けたまま走る。指宿温泉で火照った頬に、鹿児島の風がサラサラとあたる。キモチイイ。しばらく走ると目の前にどっかーんと開聞岳が現れた。そして途中に、西大山駅を示す小さな看板を発見。そこを左折して少し進むと、駅舎もない実に素朴な駅がポッツ〜ンとあった。うわぁぁ…あれが西大山駅か…。ちーさい…。

開聞岳と西大山駅駅前の広場に車をとめ、誰もいない何の音も聞こえない無人のホームに上がる。開聞岳がまたさらに大きく見えた。ホームの先端には、日本最南端の駅と書かれた白いポールが建っている。しかし、その上に赤い文字でJRと入っていた。これは、後から入れたと聞いた。そうしないと正しくないポールになるからだ。ホームにある古びた椅子に座ると、プーンと、土の香りが漂ってきた。駅は、畑に囲まれているのでした。

さて、これからどうするか。ここからのことは具体的に考えていなかった。そのまま枕崎へ行き、名物のカツオを食べたかったのだが、帰りの飛行機の時間が気になり、早目に鹿児島市内へ戻ることにした。車は多いが、ワリといいスピードで流れる226号線。しかし、その車の流れの横をガタンゴトン!ガタンゴトン!と、3量編成の黄色い指宿枕崎線が軽快に走り去っていた。何をそんなに急ぐのだろうか…。

鹿児島中央駅前で車を返却し、遅い昼ごはんに鹿児島名物の「きびなご」という10センチ弱の小さな魚の刺し身をごはんと一緒に食べたくて駅前をウロウロするが、それらしき店は見当たらない…。そうこうしているうちに鹿児島空港行きのバスの時間がうんと近づいてしまいあきらめた。あーあ…。ちゃんと調べておけばよかった…。約40分もバスにゆられ鹿児島空港へ着いた。

きびなごしかし、きびなごをあきらめきれない僕は、空港内でそれがメニューにある店を見つけた。名前は、「ピザハウス・コックピット」とまるでピザ屋のような名前なのだが店の外観はどう見ても郷土料理屋。夕方4時くらいから生ビールを流し込みながら、きびなごの刺し身を酢味噌で食べた。なかなかうまい。天ぷらもあったのでそれもいったが、これまたうまかった。どっちかつうと天ぷらの方が好きだなぁ。

カツオビールの後、この日行きたかった枕崎の芋焼酎「白波 黒」をロックでやりながら、枕崎産のカツオのたたきをなぜか醤油で食べた。ちょっと喧嘩しているように思え、恐る恐るお店の人に聞いてみた。
「すみません…。これポン酢の間違いでは…?」
はぁ?とは言わないがそんな顔をしてたまま、
「枕崎では醤油が主流です」
と、キッパリ返ってきた。
「そ、そうですか…、わかりました。」

30年以上、ずっとカツオはポン酢で食べてきたので、ひどく違和感を感じたが、仕方なく醤油で食べた。ポン酢にニンニクのスライスとネギ。あー、高知のカツオが懐かしい…。(笑)後日、東京の新宿で飲んだ時この話をした。すると、醤油派は東京にもちゃんといた。青森出身の女性と、静岡出身の男。どうやら好みの問題ではなくその地域の習慣なのだろう。この店は全体的に美味しくてありがたかった。

店を出て待合ロビーへ移動。大きな窓からオレンジ色の夕焼けが見えた。普段でもなかなか見られない夕焼けをこうして旅先で見られるなんて嬉しいじゃないすか。そして帰りの飛行機は、なぜかスーパーシートであった。もちろん初めてだし、予約はしていないハズなのになぜ…?どうやらネットの座席指定でたまたまそこが選べたらしいのだ。こんなことってあるんだ。すばらしい…。

ほろ酔い気分の僕を乗せ飛行機は羽田へ向け飛び立った。そして気づかされた。スーパーシートがいかに快適かということを。最初で最後だと思うけど。

(06年10月:旅々旅人)
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