旅々たびたび
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グラバー園と長崎港
本場のちゃんぽんが食べたくて…。  
旧グラバー住宅
大浦天主堂 長崎ちゃんぽん(共楽園)
出島
 1:旧グラバー住宅
 2:大浦天主堂
 3:ちゃんぽん(共楽園)
 4:出島
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[アクセス]
長崎駅前電停→(路電1系:約6分)→築町電停→(路電5系:約7分)→石橋電停→(徒歩:約7分)→大浦天主堂→(徒歩:約3分)→グラバー園→(徒歩:約10分)→オランダ坂・東山手洋館住宅
石橋電停→(路電5系:約9分)→賑橋電停→(徒歩:約2分)→眼鏡橋→(徒歩:すぐ)→共楽園→賑橋電停→(路電5系:約3分)→築町電停→(徒歩:約4分)→新地中華街・蘇州林→(徒歩:約8分)→出島
大波止電停前のホテル→(徒歩:約7分)→亜紗(居酒屋)
大波止電停→(路電1系:約12分)→浜口電停→(徒歩:約3分)→平和祈念館→(徒歩:約10分)→平和祈念像→(徒歩:約7分)→浦上天主堂
※路電→路面電車(長崎電軌)
[関連サイト]
■ながさき旅ネット
■甦る出島
■共楽園
長崎市古川町5-4
TEL:095-822-8257
■蘇州林
長崎市新地町11-14
TEL:095-823-0778
■居酒屋 亜紗(あさ)
長崎市恵美須町4-8
TEL:095-824-9099
[旅行手配内容]
宿泊(じゃらん):約14,000円(長崎内の全費用、飛行機代含まず)

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いつか本場の長崎で、ちゃんぽんが食べたい!
これまで何度そう思っただろうか…。具沢山の野菜とまろやかなスープに、どっしりと食べ応えのある太麺の味わい…。

前日。長崎のお隣、佐賀は嬉野温泉に泊ったので、もう一足伸ばして長崎経由で東京へ帰ることにした。JR長崎駅の改札を出る。3月に入ったばかりのこの日は、申し分のない陽気でポカポカと暖かい。JR長崎駅の目の前にある路面電車の長崎駅前電停のホームに降りるとちょうどガタゴト電車が入ってきたので、そのまま飛び乗った。

1車両だけの電車。平日なのにものすごく混んでいる。サングラスをかけ上品な年配の外国人の観光客も目立つ。世界一周旅行中の大型客船がこの日長崎港に寄ったことを夕方のテレビで知った。

長崎駅前から10分程で石橋電停に着いた。長崎の観光名所の大道と言えば、グラバー園。グラバー住宅という日本最古の木造洋館などがある山の斜面に広がる大きな公園。幕末から明治にかけての外国人用の住宅地であった。そこへ行く前にグラバー園の側にある、1864年に創建され日本最古の木造教会の大浦天主堂へ寄った。石橋電停から坂道を上がり約7分。直線と曲線の三角のデザインが連続する美しい教会だった。こういうのをゴシック建築と呼ぶらしい。

大浦天主堂中は撮影禁止。おまけに脱帽の貼り紙。はい?キリスト教の信者でないと素直な気持ちで見学するのはやや難しいところもあるが、中の建築もやはり三角の直線と曲線が活かされた美しくも迫力のあるデザインだった。そこからグラバー公園の入口はすぐ。階段や坂道が多いので機械で動く歩道が坂道に沿って設置されており、それに乗ってある程度のポイントまで運んでくれる。

旧グラバー住宅グラバー園には全部で9つの洋館がある。最初に訪れた公園の頂上にある白い壁の旧三菱第2ドックハウスから眺める港町の風景が素晴らしかった。海から吹いてくる風も気持ちいい。そこから少し下ったところにあるグラバー住宅はきれいな青色の壁が印象的な木造住宅。赤やピンクや黄色のチューリップがきれいに庭に咲いていた。グラバーという貿易会社の経営者の元住まい。

司馬遼太郎の「龍馬がゆく」を読むと、幕末の薩長同盟直前に坂本龍馬の計らいで長州藩(伊藤博文、井上馨)が薩摩藩の名目で亀山社中(龍馬が起こした株式会社。後の海援隊)を通してグラバーから洋式の武器や蒸気船を江戸幕府との戦に備えて購入したようだ。その交渉場所となったのが今も残るグラバー宅。幕末の重要な転機となった貴重な場所でもある。亀山社中のあった場所も近い。

グラバー園のある南山手から東山手へ向かおうとしたが、坂道がいくつもあり自分がどこにいるのかさえ分からなくなるほど複雑だった。坂道の多い長崎。住むにはなかなか大変な街に感じた。子連れの旅にもちょっと向かないかなぁ…。(笑)汗だくになりながら、オランダ坂の途中にある東山手洋風住宅群までなんとか辿り着いた。

眼鏡橋石橋電停からまた路面電車に乗り、賑橋電停で降りる。賑橋電停から歩いてすぐのところに長崎湾まで続く中島川が流れており川沿いのやなぎが静かに揺れていた。中島川にはいくつもの小さな石橋が架かっており周囲の下町の街並みと重なり美しく見えた。その内の一つが有名な眼鏡橋。1634年に造られた日本最古のアーチ型の石橋。川に埋められた等間隔の石の上を歩きながら反対岸へ渡った。川では大きな鯉がユラユラと泳いでいた。

長崎ちゃんぽんさてと、昼飯。いよいよ長崎チャンポンだ。事前のリサーチでかなり評判の良かった眼鏡橋の近くにある「共楽園」に寄った。カウンター席に座り迷わずちゃんぽん(650円)を頼んだ。そして程よい時間で現れたややにごった色合いのちゃんぽんをハフハフ食べる。うまい……。めちゃめちゃうまい。たっぷり入れられたカキや野菜の旨みが鶏ガラスープと混ざり合い実に深みのある味わいに仕上がっている。よく東京で食べるようなクリーミーな感じはあまりなく独特。

角煮まんじゅう本場のちゃんぽんを食べた満足感にひたりながら、また路面電車に乗り、新地中華街のある築町電停で降りた。駅を降りると横浜や神戸のそれと同じような中華街らしい華やかな門が目に入った。ここもちゃんぽんの旨い店が集まるエリアと聞いた。何度か行ったことのある横浜の中華街と比べるとかなり小さい。蘇州林(そしゅうりん)という店で長崎名物の角煮まんじゅう(315円)を買った。意外と小さかったがあつあつトロトロでやわらかくうまかった。

中華街の近くには勝浦や輪島の朝市のように小さな露店が続く通りがあり、ピチピチの魚が美味しそうに並んでいた。ブラブラ歩きながらお腹を少しだけ空かした。

皿うどんそして、さっき角煮まんじゅうを食べた蘇州林で皿うどん(840円)の太麺タイプを食べたが、濃厚でうまかった。大きめに切られたタコ、もやし、キャベツ、キクラゲ、エビなど10種類以上の野菜の旨みがどっしりと染み込んでいる。麺が太かったので、ちゃんぽんのようにプリプリしていい感じ。パリパリした皿うどんの感覚を味わうなら細麺を選んだ方がいいかも。それにしても長崎はちゃんぽんも皿うどんも実にうまかった。店のチョイスもアタリ!

出島食べ過ぎで倒れそうになりながらフラフラと歩いて向かったのが、あの出島。なんといつのまにか出島が元々あった場所に復元されており感動。どうやらまだ全ては完成していないらしいが、それでもかなりの建物がちゃんと復元されており楽しめた。和と西洋のデザイン要素がブレンドされた内装や家具が印象に残った。出島は、鎖国時代に西洋への貿易の窓口として唯一開かれていた扇状の埋立地。(入館500円)

出島を後にし、そのまま歩いて文明堂の本店の横に建つホテルへチェックインし、熱いシャワーをドボドボ浴びた。坂道をかなり歩いたため熱いシャワーがすこぶる気持ちよかった。しかしシャワー後のビールは夜のために我慢した…。

夕方早く入ったのは、路面電車の桜町電停の近くにある亜紗(あさ)という居酒屋。長崎といえば魚も美味しい街。ホントは別の店で行きたいところがいくつかあったが、どこもかなり高いので居酒屋で美味しいところをリサーチしたらここに辿り着いた。地元の人にはかなり評判のいい店だった。

ウチワエビの刺し身よく冷えた生ビールがドクドク身体中を巡った。気絶しそう…。そして旬(3月〜4月)を迎えたという、ウチワエビの刺し身(850円)を頂く。平べったいエビなので身はかなり少なかったが、上品な甘味が口の中に広がった。よく見るとウチワエビはまだ動いていた。小さな目までキョロキョロ…。

二杯目のビールを飲みながら今度はお店の人のおすすめを頂くことにした。聞くと迷わず
「貝柱と三つ葉の掻き揚げ」

と返ってきたのでそれ(709円)にした。

貝柱と三つ葉の掻き揚げこれが大ヒット!!独特の甘味とサクサクした歯ごたえにしびれた。やーこれはうまいっ!
「これうまいっすね!何の貝柱なんですか」
と、後ろを通った店員さんに聞くと
「そちらは真珠貝ですよ!」
と、教えてくれた。ビールから地元の麦焼酎「壱岐」のロックにスイッチし、長崎名物のハコフグの味噌焼き(900円)をちびちび食べた。とろりと甘く独特の味わいだった。地元の人に人気なのは確かに分かった。刺し身はちゃんと食べていないので分からないが、料理したものはいい感じ。開店から30分程で一気に満席になっていた。

***

平和祈念像翌朝は、前日から一転して小雨が降るひどく寒い日だった。そんな中訪れたのは、平和祈念館、平和公園、浦上天主堂。まだ人が少ない平和公園に座る平和祈念像の力強くも幸福を願うやさしい表情が印象的だった。右手は原爆を示し左手は平和を祈っているそうだ。その右手の一番高い所に何も知らない小鳥がちょこんと休んでいた。

(07年3月:旅々旅人)
 
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