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渡嘉敷島・阿波連ビーチ
 
渡嘉敷ビーチ
ビールとジーマミー豆腐 クジラと出会う
ゆし豆腐そば
 1:渡嘉敷ビーチ
 2:ビールとジーマミー
 3:クジラと出会う
 4:ゆし豆腐そば
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[アクセス]
那覇・泊港→(フェリーけらま:約1時間10分)→渡嘉敷港→(タクシー:約15分)→阿波連ビーチ→(徒歩:約5分)→豆や(阿波連集落)→(徒歩:約7分)→展望台
※泊発マリンライナー(高速船)は約35分。
[関連サイト]
■離島ドットコム
・渡嘉敷島情報
■とまりん(泊ふとうターミナル)
・泊港発←→渡嘉敷港 高速船、フェリー出航状況案内
■まめや
・沖縄県島尻郡渡嘉敷村字阿波連86・TEL:098-987-3120
[旅行手配内容]
ANAフリーツアー(ANAサイトより手配):約40,000円(1泊2日全費用)
沖縄方面の名物

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那覇から高速船でわずか35分程で抜群にきれいな海に出会えるのが慶良間諸島にある渡嘉敷島(とかしきじま)。

季節は2月前半。1泊2日の出張で訪れた沖縄本島。仕事のない2日目。東京へ戻る那覇発の飛行機を夜の8時過ぎの便にしておいたので渡嘉敷島へ行くことにした。前日、コザ(沖縄市)にある馴染みのロックカフェで飲んでいるとなんとマスターが渡嘉敷島出身であることを知った。そして、
「今の渡嘉敷島はクジラが見れるからホェールウォッチング行ってみたらどうです」
ニコニコ顔のマスターに沖縄独特のイントネーションで言われた。
「クジラですか…。それは見てみたい。でも…」

日帰りなのでさすがにホェールウォッチングのツアーへの参加が難しいことはその時点で気づいていた。島内の交通の便があまりよくないのと泊港(那覇)と渡嘉敷港を結ぶ船の本数が高速船とフェリー合わせて一日2往復とかなり少ないこともあり…。

翌朝、国際通りの三越の裏辺りにあるセントラルホテルから泊(とまり)ふとうターミナルまで歩いた。さすがに2月前半。沖縄も寒くコートの襟まで立てる。離島へ行く船のチケットを販売している「とまりん」という建物に入り、窓口で約35分で行ける高速船ではなく約1時間10分かかるフェリーけらまの往復チケットを2,800円で買う。高速船のマリンライナーだと往復4,200円もするからだ。

港には既にフェリーけらまが停泊していた。車なども運ぶらしく思ったよりも大きい。あたたかい缶コーヒーを買いボーっと海を眺めているとゆっくりと港を離れていった。乗客は40名くらいだろうか。一人旅らしい若い女性の姿もちらほら。

クジラ…泊港を出て数十分。前方に渡嘉敷島が大きく見えてきた頃、100メートル程離れたあたりで大きなクジラが豪快に海面からジャンプする姿が飛び込んできた。おぉぉぉ!!クジラだ!椅子から立ち上がりデッキへ走り出た。少しして船長からもクジラの出現を知らせるアナウンスが流れたがその頃にはほとんどの乗客が既にクジラを眺めていた。遅い…。水を噴出したり、ジャンプを気持ちよさ気に繰り返し、やがて姿を消した。思いがけず生のクジラと出会った。見るのに夢中で撮影は大失敗…。

毎年1月から3月の間に繁殖と子育てのためにザトウクジラがやってくると泊港で入手した渡嘉敷島のパンフレットに書かれていた。そうは言ってもこんなに簡単に出会えるとは驚き。運が良かったのだろうか…。クジラと出会ってから約10分後に渡嘉敷港に着いた。泊港を出る頃は曇りだったが少し晴れ間も見えてきた。よしっ!もうちょっと頑張ってくれー!南の島は晴れていないと本来の美しい海が見られないからどうしても晴れてほしい。

港へ降りると渡嘉敷島のメインビーチ「阿波連ビーチ」まで向かう小型のマイクロバスの乗り合いタクシーが待っていた。片道250円(往復500円)と安い。宿泊しない限りビーチへの交通手段は基本的にこれしかない。レンタルサイクルもない。真っ黒に日焼けしたおかあさんが運転手。そのままビーチまでノンストップで行くかと思いきやゆっくりとガイドが始まった。知り合いのおじさんが通りかかるとその方の紹介までついてくる。ヤギを発見すると車をとめて草を食べさせたりもする。(笑)

阿波連ビーチの手前にある渡嘉敷(トカシク)ビーチが見下ろせるス渡嘉敷ビーチポットで少し外に降りていいことになった。天気はいつの間にか晴れ。よしっ!!!この日は時間がないのでビーチまでは行けないが目の覚めるような色に輝く海が静かに広がっていた。阿波連ビーチと渡嘉敷ビーチ両方へ行ったことがある人に聞くと渡嘉敷ビーチの方がさらにきれいらしい。

なぜ渡嘉敷ビーチはきれいなのか。それは民宿の数集落の数が少ないことが最も大きいようだ。これは渡嘉敷出身のコザのロックカフェのマスターに教わった。なるほど。まあ、また今度時間がある時に来よう。

そして5分後、阿波連ビーチそばの集落内でタクシーを降りた。帰りの集合時間は、約3時間半後の午後3時。3時半に渡嘉敷港を出る最後のフェリーに合わせた時間らしい。

そのまま阿波連ビーチへ行くつもりだったがちょうど大きな白い雲が太陽を隠していたので先に昼ごはんを食べることにした。青い空をバックに木と鉄パイプとトタン屋根だけで作ったようなシンプルな食堂があった。手づくり豆腐の店「まめや」。店の入口付近のテーブルに座るとおかあさんが厨房から出てきてお茶を出してくれた。

「急いでる?」
「全然大丈夫ですよ」
「今日はおとうさんが東京に行っててねー。私一人だから時間かかるの」

中ジョッキとジーマミー豆腐(300円)。そしてゆし豆腐そば定食(850円)の注文を聞くと、忙しそうに厨房へ消えていった。

おかあさんが前もって言っていた通り、そばは中々出てこなかった。すぐに出た生ビールと絶妙なうまさのジーマミー豆腐はとっくに平らげた。そしておかあさんは途中で忘れ物でもしたのか自転車に乗りどこかへ行ってしまった……。おーい!おかあさん…どこへ…。これには5〜6人いた全客がポカンとした顔で後を追っていた…(笑)しかし、5分くらいでカゴに何やら入れて、あたふた戻ってきた。良かった…。

結局30分以上かかったが、ゆし豆腐そば定食は実にうまかった。平たい細麺の上にたっぷりのゆし豆腐。そしてたまごとネギと一緒に並ぶのはスーチカ(豚の塩漬け)。スープのだしがゆし豆腐のスープらしく、とてもやわらかい風味。濃い目の味つけのスーチカがいい感じでアクセントになり、うまい…。

スープを飲んだ後にちょっぴり塩味が残るのはスーチカから出る塩の旨みだろうか…。ラフテーとジーマミー豆腐の揚げだしの小鉢と一緒にねっとりネバネバ初めて食べる植物のおひたしがあった。ウンナンヒャクヤクと言うらしく、店の外にたくさん生い茂っていた。おかあさんに薦められたので一枚ちぎり、恐る恐る生のまま口に入れるとねっとりと不思議な食感が口の中に残った。

たらふく食べ店を出ると晴れ間全開!阿波連ビーチへ行くと白い砂浜と透明度が恐ろしく高いきれいな海が待っていた。すごい…!めちゃめちゃきれいじゃん。過去最高の透明度ですぞこれは。靴と靴下を脱ぎズボンを膝までまくりあげ海へユラユラ入ると、さらにその美しさを実感した。そのまま砂浜を歩きながら、高い場所からビーチを眺めようと岩場の先に見つけた白い展望台に上がった。
高い透明度 阿波連ビーチ

息が止まるような風景だった。なんという色なのか…サンゴ礁を覆うケラマツツジように淡い青色の海が続いていた。こんなにきれいな色の海は初めて。しばし時を忘れた。展望台を降りるときはビーチ側ではなく岩場に出る道を降りた。途中道端に鮮やかに咲くのはケラマツツジ

岩場に降りると、その先の海に向かって釣竿を突き出すおかあさんの姿が見えた。お邪魔かしらと思いつつ、怪しく近づいてみる。途中岩と岩の間に残った水たまりがあまりにもきれいなため、水の存在に気がつかず左足がズボッ…おぉぉぉ!

「何か釣れましたか?」
「ダメ。メバルだけ」
「メバルですか。いいじゃないですかー」
「狙ってるのはオジサンなんだけどね」
「オジサン…」

おかあさんが狙っているのはメバルではなくオジサンだった。
もちろん、魚のことですが…。(笑)
その後も別のポイントに移動した彼女を見かけたがオジサンをちゃんとゲットできただろうか…。

タクシーの待ち合わせ時間までビーチや集落をぶらぶら歩いた。集落内には小・中学校が一つあり、学校の壁にはこれまでの卒業生が描いていった色とりどりの魚が泳いでいた。校庭の緑の芝生の上にはヤギの姿。店先でサーターアンダギーを売るおばあさん。海へ続く道を走り抜けていく子供達。そしてやけに多く見かけたのが痩せ気味の猫の姿。那覇から高速船でわずか35分程だが古き良き島時間を感じた。

(07年2月:旅々旅人)
 
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