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藁焼き・カツオのたたき
    
朝の高知の風景
高知城 藁で焼かれるカツオ
道後温泉
 1:朝の高知の風景
 2:高知城
 3:藁で焼かれるカツオ
 4:松山道後温泉
詳細地図
>>詳細地図(MapFanリンク)
[アクセス]
羽田→(飛行機:約1時間)→高知龍馬空港→(市内行きバス:約30分)→高知市内はりまや橋付近→(徒歩:約15分)→高知城
高知駅前→(高速バス:約2時間15分)→松山大街道→(伊予鉄 坊っちゃん電車:約10分)→道後温泉
[関連サイト]
■高知県 高知市内
高知龍馬空港からバスで約30分。
■高知城(高知市内)
山内一豊によって創建された城。
■よさこいネット
高知の観光ガイド。
■ジェイアール四国バス
四国内の移動に便利。
■一本釣り(居酒屋)
高知市帯屋町1-5-5
TEL:088-825-3676
[旅行手配内容]
ANA超割(ANAサイト)、宿泊(じゃらん):約35,000円(2泊3日)
※翌日の愛媛含む全費用
高知方面の名物

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藁で焼いたカツオが食べたくて高知の旅に出かけた。いつか福岡の天神で飲んだ時に、福岡の知人(い)さんが高知の藁焼きのカツオの旨さを熱く語るもんだから、いつか絶対食べてやろうと思っていた。朝の9時前に羽田を飛び立った飛行機は10時を過ぎた頃には、海に面し緩やかにカーブを描く高知が見下ろせる空の上まで運んでくれていた。徐々に高度を下げ滑り込んだのは高知龍馬空港というなんとも大胆な名前の空港だった。(笑)

空港から乗り込んだ高知市内行きのバスの窓に初めて見る高知の素朴な風景が流れる。実は高知生まれなのだが一歳までしかいなかったので高知のことはまったく覚えてない。生まれは高知の池川という山奥。しかし高知市内で芸者をやっていた母に連れられ高知市内にも来ていたことは確かだが、記憶は0なので初めて見る風景と言っていいだろう。二つ後ろの席に座った若いOLらしき二人組みの楽しげな声がときどき聞こえてくる。どうやら坂本龍馬の熱烈なファンらしい。

空港を出て約30分。播磨屋橋(はりまやばし)近くのバス停で降りた。目の前には思ったよりも大きな南国の街並みが広がっている。そして鮮やかな朱色の播磨屋橋を渡る。噂どおり随分と小さく驚いた。小さく素朴な橋が、民謡「よさこい節」の1番の歌詞に登場したことで有名になり過ぎてしまったのだ。
【よさこい節】土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た よさこい よさこい♪

驚いたのがこの橋は、1998年に再建されたもので場所も本来あった場所より少し離れた上、形状(デザイン)までも変えられたとある。なんとなんと、それではまるで違うものではないですか…。当時のままでいいのに…。

路面電車暑い。9月後半だがまだまだ夏のような南国特有の日差しが容赦なく照りつける。街のど真ん中を1車両の路面電車がガタゴト走っている。どれどれ、高知の町並みが一望できそうな高知城の天守閣に上がってみることにしよう。城近くの広場では昼間から大勢のおとうさん達が将棋を指している。なかなか真剣な空気が漂うが仕事はどうしたのだろうか…。この日は平日、金曜日。僕も同じく。(笑)

高知城は、信長、秀吉、家康に仕えたことで知られる山内一豊によって創建(長宗我部氏の居城跡に)された城で、天守が現存する12城の一つ。約400年余りの歴史を誇る。コンパクトだが力強くどこか繊細な美しさが印象に残る。

だれもいない天守閣を一人のんびり見て回る。天守閣の中もほぼ昔のままで、木の匂いや色合いに深い歴史を感じる。すばらしい…。天守閣が現存する城は感動的。天守閣のてっぺんからは360度ぐるりと高知の町並みが見渡せた。坂本龍馬、中岡慎太郎、後藤象二郎、武市半平太、板垣退助も育った城下町。風通しがよく気持ちのいい風が吹き抜けていた。

ぶらぶらと町歩きを楽しんだあとホテルで熱いシャワーを浴びた。真夏のような暑さの中をたっぷり歩いたので熱いシャワーに身体がピクピク喜んでいるのを感じた。夕方、少し早めに市内にある居酒屋へ向かった。「一本釣り」というガイドブックでも御馴染みの居酒屋。

「いらっしゃい!」元気のいい声と日焼けした店員さんの笑顔が迎えてくれた。一人なのでカウンターの隅に陣取った。左斜め前に板前さんが料理をする姿が見える。メニューも見ないで、生のジョッキを頼んだ。気絶しそうなくらいうまい…。一気に空ける。そこで初めてメニューを見て、二杯目のビールと一緒に藁焼きのカツオのたたきを頼んだ。

まもなくして目の前に現れたカツオを見てたまげた。ぶ、ぶあつい…。そしてでかい。東京で食べる一般的なサイズより3倍は大きいだろうか。皮の部分が藁焼きで焦がされている。その上に、たっぷりのねぎとにんにく、隠れて見えないがシャキシャキして実に美味しかった蓮芋(断面に蓮根みたいに小さな穴がある白い芋)が添えられている。

こんなに分厚くて美味しくなかったら嫌だなぁ…、と思いながら一口食べる。

うまい…。
うますぎる…。

想像をはるかに超えていた。皮の部分を藁焼きで焦がすのは香ばしさと中身に火を通さず瞬時に表面を焦がすのに藁がいいのだそうだ。いやーうまいわこれは…。

「今日のは4月に北上し、7月頃から戻ってきた戻りガツオですよ」
と店員さん。
なるほど、北海道あたりから戻ってきたカツオなんだ。
「これ、すごく美味しいですねー!」
と、感動を伝えると、

「あ…ありがとうございます…。でも今日のはそれほどでもないですけどね‥」
と、笑いながら余計な一言をかましてくれた。これでも、あまりいい方のカツオじゃないんだ…。驚いてしまった。

メニューに書かれた「龍馬」という名の焼酎が目に入った。その龍馬と一緒にカツオのたたきをもう一度注文した。地元の焼酎「龍馬」をやりながら、追加注文した藁焼きの戻りガツオやはらんぼ(カツオの腹の身)の塩焼きをどっぷり楽しんだ。高知の風土、文化、歴史を感じながら食べるからなおさらうまい。

道後温泉翌朝、高速バス「なんごくエクスプレス号」で四国を横断し、愛媛は松山の繁華街大街道で降りると、絶妙のタイミングで坊っちゃん列車(蒸気機関車)が目の前のホームに入ってきた。ガタンゴトンと揺られながら、ほんの10分程で道後温泉駅に着いた。旅の締めに日本最古の温泉「道後温泉」で湯ったりした。

***

土佐は古代、遠流(おんる)の地とされ、多くの流人や落人が移り住んだところ。文献に出てくるものだけでも鎌倉時代までに約60人に及んでいるとのこと。こうした人達が土佐国に与えた影響は大きいと言われている。また、幕末には武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎などの俊秀を輩出し、大政奉還という無血革命の推進役を果たし、明治新政府樹立の原動力となった。(郷土資料事典より)

(05年9月:旅々旅人)
 
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