旅々たびたび 旅行でも行こうよ。
もくじ旅行記旅風景今、これが旬名物を食すお問合わせホーム
<<前のページに戻る
黒川温泉・黒川荘
 
黒川温泉の町並み
御客屋の御前湯 釣りたての鮎の塩焼
黒川温泉 入浴手形
 1:黒川温泉の町並み
 2:御客屋の御前湯
 3:釣りたての鮎の塩焼
 4:黒川温泉 入浴手形
詳細地図へリンク
>>詳細地図(Googleマップリンク)
[アクセス]
大分空港→(送迎車:約2分)→オーイタレンタカー(ノムラ)→大分空港道路→大分自動車道→九重IC→(車:約2時間)→黒川温泉郷→黒川荘→(車:約5分)→御客屋→(徒歩:約5分)→うふふ
御客屋→(徒歩:約2分)→味処 なか→(徒歩:約2分)→いこい旅館
[関連サイト]
■黒川温泉公式HP
■オーイタレンタカー
■黒川荘(旅館)
阿蘇郡南小国町満願寺6775
TEL:0967-44-0211 
■御客屋(旅館)
阿蘇郡南小国町黒川温泉川端通り
TEL:0967-44-0454
■いこい旅館(旅館)
阿蘇郡南小国町黒川温泉川端通り
TEL:0967-44-0552
■味処 なか
南小国町満願寺黒川6600-2
TEL:0967-44-0706
[旅行手配内容]
ANA超割(往復)・宿泊(じゃらん):約48,000円(全費用・2日分のレンタカー代含む。黒川→湯布院・別府)
熊本方面の名物

[スポンサードリンク (詳細)
熊本の山奥に、年間約100万人もが訪れると言われる聞き慣れない温泉郷があることを知ったのはそう遠いことではない。それもそのはず。その黒川温泉は、1980年代には危機的状況であったらしい…。それが女性をターゲットにし風情のある露天風呂を作り、木を効果的に植え、看板を撤去し温泉街全体で建て直しを図り見事に復活。入浴手形を最初に取り入れた温泉郷でもある。かつては「疵湯(きずゆ)」と呼ばれた湯治場であったと聞いた。

***

3月前半の金曜日。ANAの超割でこの時間しか抑えられなく、午後の1時前というなんとも中途半端な時間に大分空港へ着いた。天気は晴れ。そしてまさに春の陽気。大分と熊本の県境付近にある黒川温泉。熊本空港から行く方が近いのだが、由布院にも寄りたかったので大分空港からアクセスすることに。別府から出ているバスの本数がかなり少ないため大分空港でレンタカーを借り、大分空港で戻す流れにした。

空港からオーイタレンタカーの送迎車で約2分の取次店「ノムラ」で借りたのはナビ付きのホンダのLife。ナビを一人でも泊まれるプランを唯一提供してくれていた黒川温泉の御客屋(旅館)にセットし、海岸線を駆け抜ける。すぐに高速の大分空港道路へ入りしばらく走ると助手席の眼下に春の光を浴び眩しく輝く海と別府の町並みが目に飛び込んできた。

黒川温泉直前のまっすぐな道間もなく大分自動車道に入り、九重ICで降り一般道へ出た。ここから黒川温泉まではなんとも狭い道がクネクネ続く。車1台通るのがやっとの場所もありヒヤヒヤ…。しかし思ったよりも近く、大分空港を出て2時間ほどで黒川温泉郷へ着いた。そして宿へチェックインをする前に、事前に調べていて評判の良かった露天風呂のある黒川荘(旅館)の看板が見えたのでそのまま寄ってみることにした。

緑の木々に囲まれた気持ちのいい空間に溶け込むように静かに純入浴手形和風の風情ある建物が現れた。入浴手形は持っていないし、買う予定もなかったので受付で500円を支払い露天風呂へ向かった。入浴手形は1枚1200円で26軒の旅館の内、3ヶ所の湯に入れるもの。しかしそれが無くてもどこでも500円で入れる。宿泊する宿の湯と合わせて3ヶ所も入れれば十分だったので買う必要はないのであった。

びょうぶの湯黒川荘の露天風呂は「びょうぶの湯(切石露天風呂と日替わりで男女入替)」と呼ばれ、やや緑がかった乳白色。ぬるぬるとやわらかな湯ですばらしくいい感じ。そして広い。これは人気なのもうなずける。岩を囲むようにある竹林の隙間からやさしくこぼれる夕方の光が気持ちいい。さいこーだな、こりゃ。隣接する内風呂もまたすばらしく良かった。

一軒目からなんだかすごいぞ。再び車に乗りこの日宿泊する御客屋へ向かうがなかなか辿り着けない…。宿が集中する川端通りが見つけられないのだ…。グルグルと付近をさまよいながらやっとこれだと確信をもった道は、車で入るのをためらってしまう程の細い細い坂道だった。何度も前を通り過ぎていた。

そこを下るとあっという間に御客屋へ着いた。同時に黒川温泉がかなり小さな温泉郷であることも分かった。さっきの黒川荘も含めほとんどの旅館が歩いて行ける範囲内にあることも。

民家造りで外観も内装も風情のある御客屋。玄関ホールには囲炉裏まである。部屋に荷物を置き、黒川のメインストリートである川端通りをブラブラ歩く。道に沿うように流れるのが田の原川。川のせせらぎを聞きながら歩いていくと、カランコロンと下駄の音を響かせながら歩く浴衣姿の女性達と何度かすれ違った。何軒かの旅館の軒先にはとうもろこしが並んで干されている。干したとうもろこしをどうするのだろうか…。聞きそびれた。
穴湯 とうもろこし

ふと見つけた「うふふ」という可愛らしい名前の喫茶店に入り、細いグラスに注がれたビールを一気に飲み干した。

宿に戻ると「おかえりなさい」と、おかみさん。「ただいま」と機嫌よく答え、今度は御客屋の湯を楽しむことに。ここは露天風呂が女性専用と混浴しかない。というか、黒川温泉の多くの露天御前湯風呂が女性専用か混浴なのに驚いた。混浴てて、まるで江戸時代…。仕方なく、内風呂の御前湯に入った。黒と茶でビシッと締まった四角い岩風呂。なかなか熱く自分好み。無色透明の湯に浸かると、すぐ下を流れる川のせせらぎが心地よく聞こえてきた。ここもまたいい風呂だ。

黒川荘の湯と全く違う無色透明の湯。効能を見ると関節炎、神経痛などと一緒にヒステリーとあり、笑った。ヒステリーか…。僕にはあまり関係のないことだった。あとから入ってきたおとうさんは入浴手形を使ってまわっているらしく、御客屋が最後の三軒目らしい。

「黒川の露天風呂は混浴が多くてちょっと入りにくいですねー」と、話しかけると、
「いやいや。混浴だから女性は入ってこないですよ」
とサラリと返ってきた。
「あっ!そっか!混浴だと女性の方が入りにくいわけか…」
「そうそう。しかも女性専用の露天風呂はちゃんとあるところが多いしね」

代官の湯(御客屋パンフレットより)なんだなんだ。こりゃ心配することはないな。そう思い、そのまま御客屋の混浴露天風呂「代官の湯」へ川沿いを歩いて行った。多少ヒヤヒヤしたが、のんびりと湯を楽しむことができた。男湯のある露天風呂は最初に入った黒川荘にあることは知っていたが、他にも「 のし湯」、「こうの湯」、「野の花」など結構あることを後で知った。

風呂上り、宿の食事はつけていなかったので、歩いて2分ほどの小さな橋を渡ったところにある「味処 なか」という店に入った。ギンギンに凍ったグラスで出てきた生ビールをグビグビ飲みながらメニューを見ると、「本日の魚:500円」と、魚好きにはたまらない文字が見えた。
「本日の魚って何ですか?」とおかあさんに聞くと、
です」と、嬉し過ぎる答えが返ってきた。
「そ、それお願いします」

塩焼きされた鮎は実に旨かった。脂がのってうまいとかいうのではなく、獲れたての新鮮な旨みが伝わってくるのだ。川魚らしくどっしりした味わいとふんわりとやわらかな食感にビールが進んだ。めちゃめちゃうまい。
「これはどこの鮎ですか?」と聞くと
「そこの川下で獲れた鮎」と、真下を流れる田の原川の方を指差して教えてくれた。なるほど。ホントに獲れたてなわけだ。

その後、黒川の名物でもあるだご汁(小麦粉で作った平たい麺を野菜などと一緒に味噌仕立ての汁に入れたもの)と、地鶏を使った鶏めしのセット(1000円)を頂いたが、どちらも旨かった。特にだご汁は、大根やら人参やら何種類も入った野菜の甘味がジワジワ汁に染み出しており、うまいうまいと言いながらズルズル食べた。ご馳走様。

店を出ても、宿には戻らず、御客屋の隣にあるいこい旅館にそのまま寄った。入浴料は500円。日本の名湯秘湯100選にも選ばれた混浴露天風呂「滝の湯」がある旅館。ここも女性専用の露天風呂があるため客は男のみ。

滝の湯(いこい旅館パンフレットより)うたせ湯
にジャバジャバと激しく打たれる。おうっ…きょうれつ…。お湯は熱く無色透明で御客屋の湯とよく似ていたが、日本の名湯秘湯100選に選ばれるだけのことはあり、雰囲気は風情があり、いい感じで落ち着いた。

宿に戻るとまだ8時頃だったが、一人だし特にすることもなくそのまま布団にもぐって寝た。フカフカの布団が気持ちよかった。

***

朝6時。誰もいない御客屋の里の湯につかった。ちょっと散歩に出かけようと玄関へ行くと、若い男性スタッフが掃除をしていたので話しかけてみると、黒川温泉が標高約700メートルあたりにある温泉郷であることを知った。
「行ってらっしゃいませ」
という声を背に、外に出ると、たしかに山の湿った臭いを深く感じた。あぁぁぁ…いい香り。それを全身で味わいながら朝の散歩に出かけた。

(07年3月:旅々旅人)

※御客屋(代官の湯)といこい旅館(滝の湯)の写真は、それぞれのパンフレットより使用させて頂いています。すみません。入浴時数名のお客さんがいたため撮影は遠慮しました。
 
▲UP

<<ホームに戻る <<前のページに戻る
Copyright(c)tabitabi.All rights reserved.