「フラヌイ（臭気をもつ川）」。
富良野はかつて、北海道の先住民アイヌの人々にそう呼ばれ、それが現在の富良野の語源になったと言われているそうな。臭気とは硫黄（温泉）の匂いのことだそうです。（富良野の温泉は硫黄泉ではないですが…）

その富良野(富良野市、上富良野、中富良野)を含めお隣の美瑛、旭川の旭山動物園を巡る旅に、梅雨の東京を抜け出しトップシーズン（7月8月）直前の6月後半に出かけることにしました。夫婦と4歳直前の息子。そして妻のおかあさんも一緒の4人旅。

飛行機は3歳児も大人と大して変わらない料金がかかる事実を知り（席を取らず膝に乗せることはNG）、パックツアーや格安ツアーやら色々と探してみましたが、現地での移動を考えるとやはりレンタカーは必須。結局、飛行機のチケットを安く取ることを最優先に。その結果、行きはエアドゥ、帰りはスカイマーク。飛行機がデビュー戦のおばあちゃんには当日までその事実を伏せておきました。（笑）

午前11時。定刻を20分程遅れ、エアドゥの飛行機が雨の羽田を飛び立ちました。
「おばあちゃん怖くない？」
5度目の飛行機でちょっと先輩ぶった3歳の息子の声が何度も聞こえました。（笑）約1時間30分。旭川は見事な晴天でした。東京では年に数回しかお目にかかれない台風一過のような雲ひとつない青い空。感激。

送迎車で空港そばのレンタカージャパンへ行くと、地味なシルバーのマーチが用意されていました。（笑）飛行機が遅れたので既に時計の針は12時40分。まずは当然お昼ごはん。旭川空港から車で約15分。十勝岳方面へ伸びる一本道沿いにあるロッジ風の店「Caferest 木のいいなかま」に寄りました。ガイドブックでもお馴染み、地元の食材を使った料理を提供してくれる店。

店の前には白樺や色とりどりの花、鮮やかな芝生の広場もあります。放し飼いのガチョウの姿も…。既に1時過ぎで調度満席状態。時間がかかることを伝えられましたがここが目的の店だし、他に探そうにも店らしきものはまるで見つけられそうもない広い場所なので当然のように待ちました。

5分程で席に案内され、注文したのは地元の野菜を使った野菜カレー（950円）。それと一緒にトマトのサラダ（550円）も頼みました。トマトにモッツァレッラチーズが乗せられたものです。

最初に念を押された通りホントに時間がかかった…。（笑）30分以上待ったのでは…。その間三歳の息子と店の外でガチョウを追いかけるなどして遊んでいました。店の周囲は緑がいっぱいで気持ちがいいのです。野菜カレーは、野菜がたっぷり。アスパラ、人参、カブ、ブロッコリー、豆、玉ねぎがゴロゴロ。玉ねぎは小さめだが柔らかく煮込まれたものが丸ごと入っていて驚きました。

メインのカレーより、偶然にもちょうど旬（5月・6月）のアスパラガスが抜群に美味しかったです。さすが美瑛。自然いっぱいのこの空間で食べられるのが何より嬉しい。

結局この店を出たのは、2時半前。飛行機の遅れとこの店のスローフード（笑）により予定変更。今宵の宿のある十勝岳温泉に近い富良野方面へナビをセット。走り始めて15分程すると助手席の向こうにパッチワークの風景が…。

車を止めさらにその風景がきれいに見える場所まで歩いて行くと、あたりにちょっと日焼けしたルピナスが咲いていました。そしてその向こうに十勝岳連峰を背景に、富良野盆地のパッチワークが大パノラマで広がっているのでした。うわぁぁ…。北海道に来た事を実感。近くに看板がありそこに深山（みやま）峠と書かれていました。

「ねえねえー、遊ぶところは？」
最近外出先でお約束となった三歳の息子の口癖が出始めます。（笑）深山峠からさらに12分程富良野方面へ向け走り、日の出公園に寄りました。ラベンダー畑でも知られる公園ですが、ちょっとしたアスレチックもあります。

見頃が7月上旬〜下旬のため、展望台から色づくラベンダーは見られませんでしたが、北海道ならではの美しい風景がぐるりと見渡せました。息子は随分とアスレチックにハマッたらしくこの場から去るのにそれなりに時間がかかりました。（笑）猛暑の中、大人三人はグッタリ…。