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世界遺産・座喜味城跡
沖縄の世界遺産を巡る。  
世界遺産・今帰仁城跡
万座毛 沖縄そば
瀬底大橋とビーチ
 1:今帰仁城跡
 2:万座毛
 3:沖縄そば
 4:瀬底大橋とビーチ
>>詳細地図(Googleマップ)
[アクセス]
那覇空港→(車:約1時間)→座喜味城跡→(車:約20分)→万座毛→(車:約45分)→今帰仁道の駅そ〜れ→(車:約10分)→今帰仁城跡→(車:約25分)→瀬底島
[関連サイト]
■美ら島物語
世界遺産特集:座喜味城跡
世界遺産特集:今帰仁城城跡
■今帰仁道の駅「そーれ」食堂
・今帰仁村字玉城157(今帰仁村役場近く)
[旅行手配内容]
ANAフリーツアー(ANAサイトより手配):約50,000円(2泊3日全費用)
沖縄方面の名物
 
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那覇のホテルの小さな窓から突き抜けるような青い空が見える。旅先で天気がいいとそれだけで嬉しくなるのはなぜだろう。

この日は沖縄本島で2度目の世界遺産巡り。やろうと思えばできなくもないが沖縄の世界遺産の城跡を1日で回るのはかなり厳しい。前回、うるま市の勝連城跡からスタートして中城城跡、首里城を回ったので世界遺産に指定された残りの2グスク(城)、座喜味城跡(ざきみじょうあと)と今帰仁城跡(なきじんじょうあと)を巡ることにした。

「座喜味がいいねー」
石垣島の居酒屋だったかな…。いつしか沖縄の人達と飲んだ時、ある人が僕にそう言った。かつて勝連城跡の麓に住んでいたクマのような風貌の男で沖縄の歴史にも随分詳しかった。勿論全てのグスク(城)を回っているが座喜味が一番のお気に入りらしい。どこがいいか聞くと、とにかく行ってみろとのことだった。ちなみにそれまでにも沖縄の人と何度かグスクの話をしたことがあり今帰仁城跡がいいという声が多かったので彼の言葉はとても意外に感じた。しかし不思議と興味も沸いた。クマに似た男の思いが妙に伝わってきたからだ。

その座喜味城跡があるのは那覇から58号線を北上した読谷村(よみたんそん)。本土でもよく見かけるようになったあの泡盛の残波(ざんぱ)が作られている人口約38,000人の村。残波は沖縄でたびたび夜を共にした泡盛なのでそれだけで随分と親近感が湧く。

レンタカーのナビに従いながらどこをどう走ったか定かでないが古びた住宅街やら両側に原っぱが広がる道やらフロントガラスにいきなり海が飛び込んできた道やらを抜けようやく辿り着いた。沖縄の人にも結構迷いますよと言われていたが方向音痴の僕はナビがあっても当然のように迷った。(笑)迷わなければ那覇から約1時間ってところかしら。

「うつくしい…」
座喜味城の城壁を初めて目にし、出てきた言葉は「うつくしい」だった。連なる城壁をくり抜いたかのように見えるアーチ門。連続する直線の中に馴染んだ天井部周辺の曲線がなんとも美しい。アーチ門を抜けると周囲を城壁で囲まれた広場(一之郭)に出た。そこは魂が宿っているかのように神秘に満ちていた。まるでグスク自体が呼吸をしているかのようであった。そしてそこにもまたアーチ門がわずかな階段の上にありそこからは真っ青な空だけが見えた。
座喜味城 座喜味城 座喜味城

座喜味城城壁の上に上がると吹き抜けていく風がそれはそれは気持ちよかった。そしてぐるりと360度、視界に海と大自然が映った。これはすごいところだ。感動。標高約125mの高台に造られているのでそこからの見え方は半端じゃなく美しい。

座喜味城がこんなに素晴らしいところだったとは…。あのクマのような男に心から共感した。登ってきた階段へ向かおうとすると前方に若い女性が一人で立っていた。これまた美しい…。普段なら挨拶をするところだが彼女はあきらかにそこから見える景色に酔いしれていたのでそのままするりと横を通り過ぎた。

座喜味城は中城城(なかぐすくじょう)も手がけ名築城家とも言われている護佐丸(ごさまる)が15世紀初期に築いたグスク。外周は約365m。2000年に他の琉球王国を象徴する遺産と共に世界遺産に登録されている。

万座毛再び車に乗り込み今帰仁城跡を目指す途中、観光名所の万座毛(まんざもう)の近くを通ったのでついでに寄ってみたがこちらも思っていた以上に美しく迫力のある風景が楽しめた。万座毛付近の海の色がでーじ(とても)きれいだった。沖縄本島でもこんな風に美しい色の海に出会うことが時々ある。大概は名もなく車で行くのも大変な静かなところだが、こんな大御所の観光ポイントで見られたのには驚いた。

そ〜れさらに北上を続け今帰仁城跡の前に昼飯を食べることにした。本部(もとぶ)ではきしもと食堂が有名だが以前食べたときに相性がいまひとつだったので(笑)今帰仁村で食べることにした。村の中をグルグル回ってみるが中々旅気分を盛り上げてくれそうな店がなく、仕方なく(ごめんなさい)今帰仁道の駅「そ〜れ」で食べることにした。本土で言うと高速のPAの中にあるような店。

沖縄そば地元で採れた野菜などを売っている店の中に食堂があった。思ったより広めの店内でそば定食(600円)を頼んだ。あんまり味わって食べるつもりはなかったが最初にすすったスープがうまくて驚いた。あっさりして実にうまい。平たくやや柔らかめの中太麺もしっかり味わえスープとの相性もいい。

予想を裏切るうまさというか僕と相性のいい味わい。スープの出しは、鶏かと思っていたが豚からとったものらしい。地元の豚、今帰仁アグーだ。全く評判を聞いたことがない店だったが、僕はここの味好きだなぁ。雰囲気もいい。農家にお邪魔した時に出てきそうな素朴なお昼ごはん。地元の主婦の方々で運営している道の駅なのだそうな。やー満足満足。

今帰仁城跡はそこから車でわずか10分程であった。座喜味城跡よりも車の数が多くそれに応じて人の数も多い。と言っても首里城を訪れる人と比べたら圧倒的に少ない。しかし首里城と比べそれほど観光地化されておらず当時に近い形で整備されているのが素晴らしい。巨大な城壁がゆっくりと曲線を描きながら万里の長城のように続いている。北の巨城と称され城壁の総延長はなんと約1500mもあるらしい。
今帰仁城跡 今帰仁城跡 今帰仁城跡

今帰仁城跡城壁もさることながら御内原(うーちばる)からは青い海と空がドドーンと見えた。沖縄通のキャスター筑紫さんも著書「世・世・世」で今帰仁城跡が一番のお気に入りで、視界に入る海との取り合わせ、心の洗われるような静けさが何とも言えないと書いていた。今帰仁城跡は三山時代(北山、中山、南山)沖縄本島北部を支配していた攀安知(はんあんち)の城であった。まだまだ整備中であるらしく僕が行った時も発掘調査が行われていた。

発掘調査今帰仁城跡は、現存する城壁のさらに外側にも城壁があったのだが随分前に壊してしまい今は道路になっていると聞きしばらく空いた口が塞がらなかった。(笑)首里城もかつてはその地に大学(琉球大学)を造ってしまった時代があった。この話を聞いたときはホントに腰を抜かした。なんだかなぁ…。沖縄の人はこういうものが好きな人は恐ろしく好きだが全く興味がない人も多い…。

まだ時間があるので海を見に行くことにした。向かったのは本部の瀬底島。橋でつながっているので車で渡れる。橋でつながるともはや島ではなくなるが…。全長762mの巨大な橋からの眺めは最高。島に入るとすぐにアンチ浜というビーチの入口があったがたしか瀬底ビーチというのがあったような気がしてさらに進んでいくとホテルでも造っているのかしら…?何やら大掛かりな工事をしている付近があり同時に瀬底ビーチを示す看板があった。

しかし…、駐車料金がなんと1,000円もする。うそ…。ここは東京の都心か…(笑)当然あきらめて最初に見かけたアンチ浜に戻った。駐車料金は無料。おまけに本島にしては十分な透明度の海が広がっていた。しばらくゆったりしてると徐々に冷たいオリオンビールを飲みたくなってきた。今日は那覇の赤提灯が揺れる郷土料理の店でオリオンと一緒に大好きなグルクンの唐揚げと島らっきょうの天ぷら、ジーマミー豆腐あたりを食べるとしよう。

(07年11月:旅々旅人)
 
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